むし歯にならない甘味料?
ここ数年、「ノンシュガー」「むし歯にならない甘味料」「カロリーオフ」「糖質オフ」「糖質ゼロ」など
いろいろな種類の食品が新しく出てきています。
歯科で気になるのは「ノンシュガー」「むし歯にならない甘味料」
本当にむし歯にならないの?の疑問を調べました。
結論からいうと、人工甘味料は本当にむし歯の原因になりません。
ただし、その製品のみを食べた場合はむし歯にならないというお話です。
砂糖を使った食べ物・飲み物を、他にも摂っていれば、当然むし歯のリスクがあります。
人工甘味料ってなに?
甘味料には、①天然甘味料と②人工甘味料のふたつがあります。
①天然甘味料は
ショ糖(砂糖)・はちみつ・メープルシロップ・麦芽糖・水あめ・異性化糖・オリゴ糖
②人口甘味料には
*「糖アルコール」と
*「合成甘味料」のふたつがあります
*糖アルコールは
キシリトール・マルチトール・ソルビトール・エリスリトール・グリセリン
イソマルトール・マンニトール・ラクチトール・還元麦芽糖水飴・還元パラチノース
* 合成甘味料(自然界には存在しない甘み成分)は
アスパルテーム・スクラロース・サッカリン・アセスルファムK・スクラロース・ネオテーム
むし歯になる甘味料は天然甘味料です。
ただし、オリゴ糖は他の糖と結びついた少糖類と言われ、むし歯になりにくい「難う蝕性糖質」として扱われていて
フラクトオリゴ糖や大豆オリゴ糖などはが特定保健用食品として認められています。
人工甘味料(糖アルコールと合成甘味料)は、むし歯の原因にならないことがわかっています。
むし歯になるメカニズムを簡単におさらいしましょう
むしば菌が砂糖を栄養源とし排泄物=酸 を出し、その酸が歯を溶かしてむし歯になります。
むしば菌は砂糖と人工甘味料の分子レベルの結合の違いを認識するので
人工甘味料からはベタベタしたプラークを作れず、酸も出しません。
酸ができなければ歯が溶けることもないのでむし歯になりません。
具体例をみてみましょう
アメ・キャンディの袋の裏を見て下さい。
原材料名のところに「砂糖」とあるものはむし歯になります。
ほかにも天然甘味料の「水あめ」「はちみつ」もむし歯になります。
砂糖・水あめ・はちみつなどの表記がなく、人工甘味料のみを使っているものはむし歯になりません。
成分表の見方
赤いアンダーラインはむし歯になる甘味料
青いアンダーラインはむし歯にならない甘味料
青いアンダーラインのものはむし歯にならない人工甘味料(糖アルコールと合成甘味料)
でも・・・良いことばかりではありません
人工甘味料のとり過ぎは、妊娠中の胎児への影響や、甘味に対しての依存症や結果的に肥満の原因になったり
腎機能低下・心筋梗塞・脳卒中のリスクが上昇するなど危険性もあるという研究も発表されています。
糖質オフ、糖質ゼロの製品を過信してとりすぎると、むし歯に関してでなく、全身への影響が懸念されます。
また砂糖を使った食べ物・飲み物を、他にも摂っていれば、当然むし歯のリスクがあります。
どうしてもアメがなめたい、子どもがアメをなめたがる、
そんなとき、砂糖を使ったアメでなく
「ノンシュガー」「むし歯にならない甘味料」を使ったアメをひとつなめる。その程度に留めておいて欲しいですね。